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2024.02.19 相続土地国庫帰属制度について
(1)概要 相続又は遺贈により、相続人が土地の所有権等を取得した後、その取得した相続人にとって①利用価値がない、②利用する予定がない、③保管する経費がかかるなどの理由で、所有権移転登記もやらずに放置され、最悪、所有者不明土地となる土地の増加が懸念されておりました。
(2)相続土地国庫帰属制度とは 令和4年4月からスタ-トした制度で、相続又は遺贈で土地の所有権を取得した場合、一定の要件を満たせばその土地を国庫に帰属(寄付と同じ)してもらう事ができる制度です。※なお、国が低価格で引き取ってくれる制度ではありません。
(3)一定の要件とは ①承認申請 相続等により、土地の所有権の全部の所有権を取得している場合には申請可能となり、相続人での共有となっていた場合でも共有者全員の共同申請で手続き開始となります。なお承認不承認の要件は②と③となります。 ②法務局の要件審査・承認審査 法務局への承認審査は、審査手数料14,000円を支払う事で申請手続きが開始されますが、以下の場合には申請が却下されます。 ア:土地の上に建物等が存する場合(この制度は更地限定となっています) イ:抵当権その他使用収益権が設定されている土地 ウ:地役権その他他人による使用が予定されている土地 エ:土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地 オ:境界が明らかでない土地等 ③不承認要件 国が管理処分するにあたり以下の要件に該当した場合には、不承認となります。 ア:がけ地で通常の管理にあたり過分の費用と労力を要する場合 イ:管理処分の阻害となる工作物、樹木等の有機体が地上に存する場合 ウ:隣地所有者と争訟によらなければ通常の管理処分ができない場合 エ:その他通常の管理処分を行うにあたり過分の費用と労力を要する場合
(4)負担金の納付 国庫帰属が承認された場合には、通知受領日から30日以内に、今回申請の土地の10年分の標準的管理費用(最低額20万円)を納付することとなります。