ブログBLOGS

2024.11.09 相続時精算課税制度について

⑴相続時精算課税制度の概要                                                      相続時精算課税制度は、60歳以上の直系尊属(父母や祖父母など・・・贈与者)から18歳以上である者(直系尊属である者の子や孫などの直系卑属・・・受贈者)への贈与について、選択により通常の暦年課税贈与に代えて適用を受ける制度となっています。

⑵適用内容                                                          令和6年1月1日以降に贈与により取得する財産については、従来から控除を受ける累計2,500万円の他に年110万円の基礎控除も適用されることとなっています。なお、年110万円の基礎控除は、同じ年に、相続時精算課税制度を選択した異なる贈与者から贈与を受けた場合、年110万円は、それぞれの贈与財産の課税価格で按分されることとなりますので、結果として年110万円を限度として控除の対象となります。

⑶手続き                                                              この制度を適用する場合には、財産の受贈者が贈与税の申告期限内(翌年の3月15日まで)に選択する贈与者ごとの「相続時精算課税選択届出書」をその贈与税の申告書に添付して住所地の税務署に提出する必要があります。なお一旦この手続きを行った贈与者と受贈者との関係は、贈与者が亡くなるまで続くこととなり、途中で撤回は出来ず、通常の暦年課税には戻ることは出来ません。

⑷相続との関係                                                                    この制度を適用した贈与者が亡くなった場合の相続税の申告書計算においては、必ず全額持ち戻し計算が行われることとなりますので、生前贈与加算と同様に追加計上することとなり、既に納税された贈与税が有る場合には、納税する相続税と相殺することとなります。