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2022.04.21 不動産評価における財産評価基本通達の取扱注意事項
今回の最高裁の判決では、路線価使用時の価額と時価との差が著しい場合には、路線価は使用せず、時価を使用すべきであった旨の結果となりました。
この根拠は財産評価基本通達総則6項によるもので、財産評価は時価評価を原則とし、「時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。」と記しています。
実際には、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額を、特定の場所にある不動産で求めるためには、周りの環境や、取得理由なども考慮しなければ、自由な取引での通常価額を求めることはできないのかもしれません。
財産評価においては「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と締めくくられており、結果としては、評価額と時価との乖離に注意すべき判決だったと思われます。