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2023.07.19 タワーマンション評価の見直しについて(相続税・贈与税)

○ 相続税法では、相続等により取得した財産の価額は「当該財産の取得の時における時価(客観的な交換価 値)」によるものとされており(時価主義)、その評価方法は国税庁の通達によって定められています。

○ マンションについては、「相続税評価額」と「市場売買価格(時価)」とが大きく乖離しているケースも 把握されています。このような乖離があると、相続税の申告後に、国税当局から、路線価等に基づく相続税評 価額ではなく鑑定価格等による時価で評価し直して課税処分をされるというケースも発生しています。

○ こうしたケースで争われた、令和4年4月の最高裁判決(国側勝訴)以降、マンションの評価額の乖離に 対する批判の高まりや、取引の手控えによる市場への影響を懸念する向きも見られ、課税の公平を図りつつ、 納税者の予見可能性を確保する観点からも、早期にマンションの評価に関する通達を見直す必要があります。

 ○ また、令和5年度与党税制改正大綱においても「相続税におけるマンションの評価方法については、相続 税法の時価主義の下、市場価格との乖離の実態を踏まえ、適正化を検討する。」と記載されます。

○ このため、乖離の実態把握とその要因分析を的確に行った上で、不動産業界関係者などを含む有識者の意 見も丁寧に聴取しながら、通達改正を検討していくこととします。

〇上記は国税庁による今後の検討理由と課題を表示したものです。タワ-マンションを利用した節税対策や投資対象としての制限的な今後の扱いに伴い、節税対策や投資目的でないタワ-マンションの取扱いについても多大な影響がでていることには間違いはないと思われる。通常の相続や贈与の計算においても注意が必要となります。