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2024.07.13 移転価格税制について

⑴移転価額税制とは                                                                 移転価格税制とは、法人と国外関連者(その法人との間に50%以上の株式の保有関係などの特殊の関係のある外国法人)との取引(これを国外関連取引といいます。)を「独立企業間価格」と異なる価格で行ったことにより、その法人の所得が減少する場合に、その取引が「独立起業間価格」で行われたものとみなして法人税の課所得を計算する制度です。要するに法人税の減少させるため、息のかかった海外法人を使って国内の所得を海外に移す不正処理を行うことを防止する措置といえるでしょう。

⑵独立起業間価格とは                                                                                                                   国税庁が公表している資料においては、平成28年(2016年)度税制改正において、BEPSプロジェクトの最終報告書に基づき、以下の①から③までの措置が講じられ、移転価格税制等に係る文書化制度(移転価格文書化制度)が整備されました。                                                   ①独立起業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)に関する同時文書化義務・・・                                                                                                                                             前事業年度に一の国外関連者との間で行った国外関連取引の合計額が50億円以上又は無形資産取引の合計額が3億円以上である法人は、国外関連者との取引について、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ロ-カルファイル)」を確定申告書の提出期限までに作成又は取得し、保存することが義務づけられました。

②国別報告事項(CbCレポ-ト)の提供・・・                                      多国籍企業グル-プの事業活動が行われる国又は地域ごとの収入金額、税引前当期利益、納付税額等を記載する「国別報告事項(CbCレポ-ト)」の提供を求める制度が創設されています。                                                                                                                                                                                                                  

③事業概況報告事項(マスターファイル)の提供・・・                                        多国籍グル-プの組織構造、事業の概況、財務状況等のグローバルな事業活動の全体像を記載する「事業概況報告事項(マスターファイル)」の提供を求める制度が創設されています。③マスターファイルについては、②CbCレポ-トと同様に 最終親会社等の直前の会計年度の連結総収入金額が、1000億円以上の多国籍グル-プに対して、e-Taxにより所轄税務署長に提供することが義務づけられています。提供期限は、最終親会社等の会計年度終了の日の翌日から1年以内となっています。