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2024.10.30 相続人の存在が明らかでない場合の相続の取扱い

⑴相続順位                                                                                                                 相続が発生した場合に問題となるのが、相続財産を誰が、どれだけ引き継ぐかということですが、相続税法において納税額が算出されるか否かに関わらず、第一順位は配偶者と子供及びその代襲相続人、第二順位は配偶者(子供がいない場合に限定)と直系尊属(祖父や祖母)、第三順位が配偶者(子供も直系尊属いない場合に限定)と兄弟姉妹(代襲される場合には甥と姪まで)となっています。

また、亡くなった被相続人に配偶者がいない場合にも、①子供、②直系尊属、③兄弟姉妹の順位は同じとなっています。

⑵相続人の不存在                                                       相続人がはっきりしない被相続人が亡くなった後、葬儀や埋葬、市役所等の行政手続きにおいて、最後の後始末を被相続人自身が生前に依頼していれば良いのですが、遺言も無い場合には、何らかの利害関係者が家庭裁判所に申し立てを行うことで相続財産の処分などの手続きが行われます。

⑶家庭裁判所の作業                                                  相続人が不明の場合、相続財産は「相続財産法人」として清算手続きという形で処理されることとなります。まず、利害関係者が家庭裁判所に申し立てを行うことで、家庭裁判所は相続財産清算人を選任し、相続財産清算人の選任のお知らせと相続人であることの申出を促す「公告(官報掲載)」が6ヵ月以上の期間を定めて行われます。また、相続財産の債権者・受遺者を捜索するため、2ヵ月以上の申出期間を定めた公告(官報掲載)も同時期に行われます。                                                                                          その結果として相続人の不存在が確定した場合、家庭裁判所から選任された相続財産清算人が、被相続人の債権者などに対し、債務を支払う清算を行った後、残った財産が国庫に帰属することとなります。

⑷特別縁故者がいる場合                                                                                                          特別縁故者とは、亡くなった被相続人と生計を同じくしていた者や被相続人の療養看護に努めた者、内縁の妻や夫などをいいますが、これらの方々がいる場合には、上記⑶の相続人であることの申出の公告期間満了後3か月以内に家庭裁判所に請求を行う必要があります。結果、認められれば特別縁故者として財産を引き継ぐことが出来ることとなります。なお特別縁故者は相続人ではありませんので、相続税の申告書を作成する際の、相続税の基礎控除額は3000万円となります。